
「皆様から愛されている作品を、形として残したい」
そんな願いのもと生まれた、Webゲームプラットフォーム『Dreamoire(ドリモワ)』。
ゲームのサービス終了をいくつも経験してきた『イケメンシリーズ』のプロモーション担当者は、なぜ今、このプロジェクトを立ち上げたのか。実はその構想の原点は、10年も前に遡ります。
本記事では、Dreamoire(ドリモワ)のプロジェクト責任者へのインタビューを通して、サービス終了に対する運営側の葛藤と、「続けることが正義」という決意、そして『イケメン夜曲◆ロミオと秘密のジュリエット』『スイートルームの眠り姫◆セレブ的 贅沢恋愛』『イケメンライブ 恋の歌をキミに』の3タイトル復活に込められた想いをお届けします。
ドリモワプロジェクト責任者(以下「責任者」):株式会社サイバードでDreamoire(ドリモワ)のプロジェクトを責任者として推進している。これまで『イケメンシリーズ』のプロモーションを10年以上担当してきた。
――『Dreamoire(ドリモワ)』は、「皆様から愛されている作品を形として残したい」という、熱い想いを実現するサービスですが、この構想自体はいつ頃から思い描いていたのでしょうか?
責任者: 「クローズしたタイトルのストーリーが読めるようになったらいいな」ということ自体は、多分5年前とか……いや10年前ぐらいですね。終了したタイトル、運用が停止してしまったタイトルをなんとかできないか、みたいな思い自体は10年ぐらい前からあって、それからドリモワという形を考えたのは大体2年前ぐらいですかね 。イケメンシリーズのサービス終了を目の当たりにして、何かできないかという気持ちはずっとありました。
――サービス終了が一番のきっかけだとは思うのですが、リリース日に公開されたメッセージでは、「イケシリツアー※1や公開生放送」で直接お客さまからの声を聞いたとありました。どのような「声」がこの『ドリモワ』の構想を後押ししたのでしょうか?
責任者: そうですね。お手紙をいただく機会があり、全部読ませてもらっています。そういうお手紙は気持ちとしては後押ししてもらえますね。皆さんは「こういう気持ちだよ」というのを理解してほしい、分かってほしいというところが多分強いのかなと思っています。
そこに対して我々がアンサーする機会はあまりないので、そこに1つの形としてメッセージを出せるサービスという意味もあって加速しましたね。
もちろんお手紙だけではなくて、アプリからのお問い合わせであったりとか、SNSなどの声を見ると、やっぱり気持ちがどんどん…「何かできないかな」と思いますよね。
――その中でも具体的なエピソード等はありますか?
責任者:「カレのこの姿をまた見せてほしい」とスクショを撮って見せてくださったり、「私たちはカレの動いている姿が見たいんです」などの言葉も多くいただきましたね。
ただ、言葉そのものもありますが、イケシリツアーなどのリアルイベントで、お客さまが終了時間になっても等身大パネルのカレから離れがたい姿が、一番印象的ですよね。
メッセージもそうですが、お客さまがカレらへ「また来るよ」と声をかけている姿を見て、我々の力でできることがあればやってみたいなと思いました。そういう姿が原動力だったのかなという気はします。
※1 『イケメンシリーズ』の等身大パネル展示や体験型ゲームコーナーなどが楽しめるリアルイベント

イケシリツアーで実施したアトラクションの様子

等身大パネルが並ぶ、通称「イケメンの森」
――お客さまから「サービス終了の理由」を問われることも多かったと思います。リリース日に公開されたメッセージでは「運営型ゲームの宿命」という言葉が印象的でした。
この「宿命」という言葉には、お客さまに「サービス終了(サ終)」を告げなければならない、プロモーション担当としての「痛み」も含まれているのでしょうか?
責任者:私の中では絶対に続けるのが正義なんですよ 。
「サービスはあり続けるべきだ」というのが自分の中で正義としてあって、続けるための工夫をするべきという思いが常にあります。
それにはいろんな理由があって、特に乙女ゲームだからだと思っています。自分のパートナーとなる人を探して好きになるということなので、そのパートナーを失くしてしまったらダメだということを思っています。だからこそ、「まず続ける」が第一目的になってきています。どんな形であれ、”カレがいる状態”を作らなきゃいけない。そのために、我々は色々な努力をするべきです。
そのいろいろな努力の中で、運営型のアプリゲームというところで切り取ってみると、どんどん年数が経過して、データの維持やメンテナンス等のコストも含めてハードルが高くなってきてしまうんです。アプリゲームとなると、定期的に更新されるアプリストアの基準にも準拠しなければならなくて、維持するのにどんどんコストがかかってくる。
さらに反比例してお客さまも少なくなってしまうということが、運営型のアプリゲームの宿命としてどうしても出てきてしまいます。
それでも自分の中では、プロモーション担当としても続けることが正義なので、相反するところが常にあって苦しいという痛みはありました。
――今回、初期配信として3タイトル(『イケメン夜曲』『スイートルームの眠り姫』『イケメンライブ』)を選ばれた理由を教えていただけますか?
責任者:『イケメン夜曲』『スイートルームの眠り姫』『イケメンライブ』はIFCのメモリーズ※2 で既に実装されていた3タイトルになります。メモリーズで実装はされていましたが、運用するのがなかなか難しい状態だったため、サービスとしては閉じざるを得なかったんです。
でももう一度、皆さんに楽しんでいただける状態をできるだけ早くお見せしたいということで、この3タイトルを選ばせていただきました。
※2 IFC(イケメンシリーズファンクラブ)のサイトで提供していた、『イケメンシリーズ』の本編ストーリーをアプリとほぼ同様の形式で読めるコンテンツ。2024年6月にサービス終了。

Dreamoire(ドリモワ)で『イケメン夜曲◆ロミオと秘密のジュリエット』のストーリーを読む
Dreamoire(ドリモワ)で『スイートルームの眠り姫◆セレブ的贅沢恋愛』のストーリーを読む
Dreamoire(ドリモワ)で『イケメンライブ 恋の歌をキミに』のストーリーを読む
後編へつづく
___________________________________
後編では、Webゲームプラットフォームという形式を選んだ理由や、クラウドファンディング挑戦の背景、そして『Dreamoire(ドリモワ)』の今後の展望を通して、「サービスを続けていく」ための仕組み作りを深堀りしていきます。
後編はこちら
株式会社サイバードでDreamoire(ドリモワ)のプロジェクトを責任者として推進している。 サイバードに新卒入社後、他社様のIPをお預かりしたコンテンツの企画・運用や、広告でマネタイズするモデルのアプリサービスの立ち上げにジョイン。その後10年以上にわたって『イケメンシリーズ』のマーケティングやプロモーションに携わる。