
「めでたしめでたし、か…………」
今、私はそう呟きながら大の字に転がっている。頭の中に浮かぶのはある一人の男性だ。いや、頭に浮かぶというより“彼”のことでいっぱいと言うべきだろうか。目を閉じれば、彼の笑顔や私に向ける真っ直ぐな視線がフラッシュバックする。
……おっと失礼、ブラウザバックの手を止めてほしい。ここは私の日記帳ではなく『Dreamoire(ドリモワ)』のコラムで間違いない。今回私が依頼されたのは、サイバードの名作『イケメン夜曲◆ロミオと秘密のジュリエット』の魅力を、プレイしたキャラクターを通して皆さんにお伝えするという仕事だ。ところがストーリーを読み終えたあと、彼と幸せになれた喜びと、ひとつの物語を結末まで見届けた寂しさがないまぜになり、なんとも言えない気持ちになってしまったのである。
では、あらためてコラムをスタートしていこう。私自身について軽くお伝えすると、イケメンシリーズをプレイした経験はあるけれど、本作に触れるのは初だ。最初に読ませていただいた攻略対象は、ノエル=オーウェン――。そう、本作に登場するイケメンの中でも少々謎に包まれたキャラクターである。
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彼のキャッチコピーは「気まぐれ×小悪魔×常連客(?)」。私は、イケメンシリーズでお馴染みの属性をかけ合わせたキャッチコピーが大好きだ。ここからは、ノエル編を読了してキュンとしたシーンなどを通し、彼と本作の魅力を伝えていきたい。詳細なネタバレやノエルの職業は伏せてはいるものの、セリフの紹介などがあるため、未読の方はご注意を。
Dreamoire(ドリモワ)で『イケメン夜曲◆ロミオと秘密のジュリエット』ノエル=オーウェンのストーリーを読む
『イケメン夜曲◆ロミオと秘密のジュリエット』の舞台は19世紀のヨーロッパ、二大貴族が対立する大都市リングランド。一般市民であるヒロインは、ティーサロン「ブルーベル」のウェイトレスとして働くため街にやってくる。初っ端から、同僚のアレクや店のオーナーの執事であるハルなど顔面の良すぎる男性が次々と現れることに面食らいつつ「そうだった、これ『イケメンシリーズ』だった……」と思い至る。私なら秒で好きになっているところだ。あぶない。
「私=ヒロイン」の自己暗示をかけながら読み進めると、今回のお相手であるノエルが現れた。えっ意外と登場が早いな! すると彼は私に「この店で働こうなんて変わってるね」「ここの秘密を知ってる?」などと何らかの匂わせをしつつ、こう言い放った。

はい出ました、女性のファーストネームを“ちゃん付け”する男性……! このタイプは巷でも「メロい」などと言われているが、実際に呼ばれてみるとなかなかどうしてキュンとくるものだ。しかも彼にとって私の第一印象は、いわゆる“おもしれー女”というダブルインパクトである。距離が近くてチャラい印象は否めないが、悪い気はしない。かっこいいし……。
本作はヒロインがジュリエット、運命の相手はロミオという「許されない相手」「禁断の恋」というテーマがあるため、登場する攻略キャラの多くが“ワケアリ”だったり、立場的な事情を抱えていたりする。ノエル編では、彼が秘密にしていた職業や二大貴族の対立に関わる理由などが、恋の障害として立ち塞がる。
最初はノエルを「第一印象は一番好みというわけではないかも」「ほかの登場キャラに心を奪われないように気をつけないとな」などと思った自分を叱りたい。いやーノエル=オーウェン、思った以上に抗えないタイプのイケメンであった。

まずノエル編で驚いたのが「とにかくこの男、やたらと食べる」ということである。ティーサロンで注文するメニューはびっくりするような量だし、一人の時も何かしら食べているシーンが多い。わりと常にモグモグしている人なので、もしや幼少期にご飯を食べさせてもらえなかった思い出が……? などと勘ぐりたくなるほど。
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ヒロインにもことあるごとに食べものを勧めてくるので、このまま行くと体積が2倍になってしまう。というか、なぜノエルは二重あごにもならずシュッとしたスタイルを維持しているのか。ずるい。でも美味しいものを食べている時の彼はとてもかわいいので、すべて許してしまいたくなる。そんな彼が、初めて照れ顔を見せたのはこのシーンだ。

これは、ヒロインが彼にクロワッサンの“「あーん」未遂”をしたシーンである。初の赤面シーンも食べもの絡みとは……! さらに私が気に入ったのは、物語中盤でノエルが子どもをあやすためチョコレートをあげるシーンだ。なんとこのチョコレート、彼が普段被っている帽子の中から取り出すのである。
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ひょっとしたら、手品的テクニックを使って帽子の中から出したように見せたのかもしれない。でもやっぱり、常に飴だのチョコレートだのを隠してある気もしないでもない。もしそうなら、彼こそかなりの“おもしれー男”だ。
それとこの手の気まぐれ系な人は、絶対に猫を飼うタイプでしょ? と思っていたのだが、実際はとある意外な動物をペットにしていた。あまり懐くイメージがない動物を懐かせているのはかなりポイント高いが(動物に好かれている人に悪人はいないと思うので)、名前はやはり食べもの関連だった。どこまでもおもしれー男である。

女性向けゲームに登場する“一見チャラいキャラ”が、根っこまでチャラいということはあまり無い。ノエルもそういうタイプだが、本当の彼は真面目で誠実というだけでなく、ある種の悲しみを抱えているところにグッとくる。その上めちゃくちゃに“覚悟”が決まっている人なので、知れば知るほどハマってしまう人は多いはずだ。
ここで、個人的に気に入っているノエルのセリフをいくつか紹介したい。まずは比較的序盤に出てくるこちら。

チャラい男なら「俺が君を笑顔にしてあげるよ」などと言うかもしれない。だがノエルが言うのは逆だ。私がこのセリフにキュンときたのは、「俺を笑顔にしてくれる?」という言葉に、彼が心の奥底に隠している弱さのようなものを感じてしまったからだ。
その後も時々ノエルは「ヒロインに笑顔でいてほしい」ということを伝えるのだが、その中でも「君が可愛い顔で笑っていれば、悪いことなんて全部逃げていく」というセリフも印象に残った。その言葉には、彼の“祈り”が込められていたような気もする。

それからもうひとつ。街の子どもが拾った子猫を預かり、引き取り先を探すことになったノエルが、子猫との別れを名残惜しむその子にかけた言葉も紹介したい。
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別れを別れにせず、次に会うための「約束」にするノエル。きっと彼は、数え切れないほどの別れや諦めを経験してきた人だと思う。けれど少しでも誰かにとっての希望があるなら、それを信じようとさせてくれるのだ。その優しさが、深く心に響いた。
そんなこんなでノエルの深い沼にズブズブとハマっていくヒロインこと私。そんな私が決定的に“落ちた”のが、ストーリー後半、成り行きで恋人のふりをすることになり、お互いの好きなところを言い合う場面だった。きっとノエル推しの皆さんにも人気のシーンだと思うが、その中でも私がズキュンとやられたのは、ヒロインの「(ノエルは)よく食べるところが好き」という言葉に対し、彼が「そんなこと初めて言われた」と答えつつ言った次のセリフだ。

「なぜこれにキュンときた?」と思った人も多いだろうが、少し説明させてほしい。友だちと恋人の違いはどこにあるかと言えば、私自身は「ほかに代わりのない唯一の存在であること」だと考えている。私はこの「変だよ」という言葉と笑顔(ちょっと泣きそうになっているようにも見えた)から、「君は普通じゃない」「他とは違う」……つまり、ヒロインが“特別な存在”だというノエルの本音を感じたからだ。
恋人のふりの最中ではあったものの、その後のノエルの告白も良かった。良すぎた。これはぜひ実際にストーリーで読んでいただきたいのでセリフ紹介は控えるが、ある意味で愛情を伝える究極の言葉で、思わず泣きそうになってしまった。

最後に紹介するのは、ノエルとヒロインがお互いの想いを確かめ合えた場面のセリフだ。好きだという想いを伝え、困難があっても逃げないと言うヒロインに対するノエルの言葉がこちら。
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いやもう、見返しただけで涙が出てくる。これを聞いた時に私は、ノエルがずっと「自分は幸せになってはいけない」と呪いをかけていたのかもしれないと気づいた。いやもう絶対に幸せにしてみせるし、ずっと笑顔でいると誓います……そうすればきっと、ノエルが言う通り「悪いことなんか全部逃げていく」はずだから。
まだまだ語りたいところだが、今回はここまでとしよう。ちなみに知っている人は多いと思うが、本作には一部のシーンを相手視点で楽しめる「彼目線ストーリー」がある。アプリ稼働当時はプレイ2週目以降に出現したが、『Dreamoire(ドリモワ)』では好きなタイミングで読むことが可能だ。だがやはり「彼目線」は、個人的にはエンディングまでいってから読むことをオススメしたい。なぜなら、現実の恋も相手の気持ちは想いが通じ合ってから見えてくるものだからだ。
ノエル編の「彼目線ストーリー」も絶対に読んでほしいが、とくにイヤリングのくだり(読了済みの人には伝わるはず……!)に、彼の優しさを感じてグッときた。

それから、本作のエンディングは「パール」と「ルビー」の2種類がある。どちらもハッピーエンドではあるが、例えると「パール」はロマンティック、「ルビー」のほうはドラマティックというイメージが近いようだ。ノエル編はどちらも素晴らしかったが、個人的には「パール」を推したい。いやでも「ルビー」もアレがああなるしな……どっちも良くて迷うな……。いずれにしても、できるだけすべてのストーリーを読んでほしいのが正直なところだ。そうすればきっと、このリングランドという街や、そこに生き続けるイケメンたちのことがもっともっと大好きになることだろう。

これほど魅力的な作品を、いつでもどこでも気軽に読める『Dreamoire(ドリモワ)』は、あらためて見事なシステムだと実感した。ぜひ多くの人に、この素晴らしさを知ってもらいたい。
Dreamoire(ドリモワ)で『イケメン夜曲◆ロミオと秘密のジュリエット』ノエル=オーウェンのストーリーを読む
Dreamoire(ドリモワ)で『イケメン夜曲◆ロミオと秘密のジュリエット』のストーリーを読む
Dreamoire(ドリモワ)のプロジェクト責任者による
エンタメ系フリーライター。ゲーム業界などの社会人生活を経て、好きなものの素晴らしさを文章で伝えるためにライターへ転向。現在は女性向けコンテンツを中心に、インタビューやレポートや紹介記事のほか、ボイスドラマなどのシナリオも執筆。読むことと考えることと書くことが好きです。