
「イケメンシリーズ」は、大好きな“カレ”とのドラマティックな物語を楽しめるコンテンツだ。だが、気になる男性や好きな相手と甘い時間を過ごす中でも、「あれ? この人もステキだな」「あの人もかっこいいな……」と感じてしまうほど、ヒロインを取り巻く周囲の人々は魅力があふれまくりのイケメンばかりである。そして実際、どのイケメンにもそれぞれの良さがあり、ストーリーを読むごとに異なる感動を得られるのが本シリーズのすごいところで、いわゆる「推しが増えて困る」に陥ることもしばしばである。
前回のコラムを書くために、私はノエル=オーウェンのストーリーを読了した。その中で、たびたび現れては「この人、どうも私のことだいぶ好きっぽい……?」という空気を醸し出していたのが、リュカ=シンクレアである。ちなみに、イケメンシリーズならではの彼の属性キャッチコピーは「フェロモン×一途×モテ男」。

キャッチコピーのとおり、彼は街中の女性を夢中にさせるほどのイケメンで、もはや“モテ疲れ”をしている男性だ。ノエル編では、ノエルが「こいつ(リュカ)にヒロインを取られるのでは?」と気が気でない様子だった。ですよね、わかります。とはいえノエル編ではリュカの存在がちょっとしたスパイスになり、話を盛り上げてくれたのも事実だ。
とはいえ本当にリュカがヒロインを好きだったなら、犬猿の仲であるノエルと彼女が結ばれたのは相当悔しかったはず。ということで、「次はリュカを幸せにしよう」という贖罪の意味と、「この人が恋に落ちたらどんなふうになる?」という好奇心で、リュカ編を読み始めることにした。

Dreamoire(ドリモワ)で『イケメン夜曲◆ロミオと秘密のジュリエット』リュカ=シンクレアのストーリーを読む
同ライターによる前回のコラムはこちら
許されない恋が一番甘い――『イケメン夜曲』の魅力を語る ①ノエル=オーウェン編
いやー、このリュカというイケメンはですね……もうとにかく甘い!! 作中でも、何度か彼の笑顔について「とろけるような」という表現が登場する。食べものに例えるならまさにスイーツ……クリームやシロップをたっぷりかけたパンケーキ、はたまた濃厚なチョコレート、甘く熟れたフルーツのパフェなどなど、こんなの好きじゃない女子なんてほぼいないのでは? という、笑顔と雰囲気だけでも凄まじい沼らせ力を持っているのである。

何度見ても顔が良すぎる。だが、リュカの魅力はそれだけではない。彼はヒロインと同世代であり、「貴族じゃないから」という理由で、早い段階で敬称も敬語もいらないと言って距離を縮めてくるのだ。
ところが、である。リュカは自分のことを呼び捨てにさせるくせに、ノエル同様「ヒロインを“ちゃん付け”で呼ぶ男」なのだ。策士か……!?

のっけから身の危険を感じる糖度とイケメン力。警戒MAXの私が最初に「あ、やられるかも」と思ったのは、リュカと街を歩いていたヒロインがひったくりに遭い、無事バッグを取り返して戻ってきたリュカが、怯えるヒロインを抱き締める場面だ。しかもリュカは彼女を抱き締めるだけではなく、その背中を「とんとん」するのである。あなた、包容力までお持ちなんですか……?

さらにリュカの猛攻(?)は続く。抱き締めからの「とんとん」により、思わぬ密着度にいきなり我に返った彼は、頬を赤く染めた照れ顔を見せる。その瞬間、私の心の中の実況席は総立ちとなった。じわじわと土俵際まで追い詰め、ちょっと押すだけで勝ちが決まる場面でまさかの背負い投げ……! しかもこれ、おそらく本人は完全に無意識でやっているのがまた怖い。
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リュカのシナリオは“相手に一方的に憧れる恋”ではなく、友人どうしの男女が自分の気持ちを自覚し、少しずつ恋人への階段を進んでいく流れが綴られていく。なので、先述のシーンのような王道のキュンキュンにあふれていて、身も心も若返ってしまう。「甘いだけじゃない、甘酸っぱい」で、食べる(読む)手が止まらない……! といった状況に陥ってしまうのだ。
実にスイートな魅力でこちらを翻弄してくるリュカだが、王道キュンらしく随所に“男っぽさ”を醸し出してくるところも憎い。まず、筆頭に挙げられるのが一人称。こんなに柔らかい雰囲気の男性にもかかわらず、彼は自分を「僕」でも「ぼく」でもなく「俺」と呼ぶのである。
一例を挙げよう。これは自分(リュカ)に群がる女性たちに向け、ヒロインと先約があると彼が告げる場面だ。

お分かりいただけるだろうか。もしこれが「僕、これからこの子と約束があるんだ」だと、まったく印象が変わってしまうだろう。ふわっとした男性が「俺」呼びをするからこそ伝わる美味しさである(もっと細かいことを言うと、「オレ」でも「おれ」でもないところもグッと来る)。
また、おそらくこれは意図的だと思うのだが、リュカ編ではしばしば彼が“女性と違う身体の作り”である描写も見られる。つまり、「手が大きい」「意外とたくましい」といったキーワードだ。パッと見はスリムだけれど、実は……というやつだ。
その「実は……」というジワジワ系の攻撃は、彼の態度にも現れる。リュカはヒロインと友人という対等な関係でありながら、「自分が彼女を守りたい」という意識がしっかりとあるのだ。にもかかわらず、ヒロインは「(気持ちに応えられないので、女性から)好きになられても困る」というトラウマ級のリュカのセリフにより、恋心をセーブしてしまっているため、ずっと一線を引いている。そんなヒロインの想いを知らず、次第に気持ちをダダ漏らせていくリュカ……。
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もはや自分で「男だ」と申告するレベルである。彼は「もう我慢できない、好きだと伝えたい。告白するなら男である自分からするべきだけど、打ち明けることで彼女を傷つけたくはない」と、もう本当にずっと葛藤するのだ。
好きな女性の態度に一喜一憂し、想いをダダ漏らせたり、かと思えばちょっと見栄を張ってみたり。ちゃん付けから呼び捨てへの移行の照れ(王道!)もそうだが、何もかも年頃の男の子の恋という感じで、実に実に甘酸っぱい。ちなみに私が一番好きなリュカの表情は、無防備な驚き顔+赤面のダブルコンボである。

そんな感じで、その微笑ましさに口角上げっぱなしでリュカを見守っていた私。ここで致死量のキュンキュンを2つ紹介しよう。まず1つ目は、とある流れでヒロインがリュカの部屋に泊まるシーンだ。リュカはハルの家へ行くことにし、ヒロインはリュカのベッドで寝ることになり、ヒロインはその優しさにお礼を言う。リュカはそんなヒロインをブランケットでバフッと包み込み、こうつぶやく。

くっ……凄まじい破壊力だ。ときめきすぎて息ができない……!(※ブランケットによる窒息状態ではない)
致死量のキュンキュンのもうひとつは、海辺でキャッキャウフフ(!)のシーンだ。これはセリフではなく、完全にビジュアルに殴られた。こちらである。

シャツ1枚のイケメン、嫌いな人などこの世にいるのだろうか? いないはずだ。散々、言葉や態度などで翻弄されまくったあとに会心の一撃。思わず心の中のシャッターを切りまくった一場面であった。
そうして、供給過多のときめきを与えてくれるリュカと過ごしながら気づいたことがある。それは、彼が好きと友情の間を反復横跳びし、ついに自分の恋心がボーダーを超えそうなギリギリの瞬間、口から紡がれる言葉に「読点」が増えるということである。
たとえばこちらは、お互いに「デートみたい」と感じるほど、ヒロインと楽しく時間を過ごしたあとのこと。これから先の未来に環境が変わってしまっても、またこうして出かけたいと伝えたいリュカはヒロインにこう言う。

このモダモダ感、伝わるだろうか……? 本当はそうじゃないけど、そういうことにしたい。いやでもやっぱり……といった具合に、めちゃくちゃ頭の中で言葉を選んでいるのが伝わってきて、これまたときめきが止まらない。なお、このあと「やっちまった!」と頭を抱えるリュカは、本作の中でも上位に入れたい名シーンだ。

かわいすぎる。また、とある出来事からヒロインが敵に狙われるようになり、リュカが対策について話す場面もいい。街を歩きながら、彼はヒロインと繋ぐための手を差し出す。「恋人だと誤解されるんじゃ?」と戸惑うヒロインに対し、リュカはこうつぶやくのである。

そこ、区切る必要ある? というくらいたどたどしい。また、ストーリー序盤で素性を隠し、ヒロインを助けたことが明らかになった場面も紹介したい。リュカへの恋心を抑えているヒロインは、「そんなふうにされたら誰だって勘違いする」と告げる。それに対するリュカの言葉がこちら。

ふぅ……(あまりの萌えに漏れ出たため息)。このあとにはちゃんとした告白の言葉もあるのだが、既にこの時点で「参りました! 私もリュカが大好きです!」と全面降伏ものである。さらにさらにもう1つご紹介すると、彼目線におけるリュカも読点祭りなのである。準備はいいだろうか? いきますよ。

読点男、ここに極まれり……! もはやモダモダ感というより、あふれる想いに口が追いついてない感が素晴らしい。この視点でリュカ編を読み返すと、また新たな発見があると思うのでぜひオススメしたい。

ということで、リュカ編について語ってみた。今回のストーリーを読んでいてあらためて感じたのは、本コラムの冒頭にも書いた「攻略キャラ以外のイケメンたちの引力もすごい」ということだった。たとえば、ノエル編では頼もしいお兄さん、いやお父さん? だったラッドが、リュカ編では保護者とは思えない感情を匂わせてきたり、ユアンがめちゃくちゃ強い印象を残したり、ハルがやんちゃな一面を覗かせたり、ローガンはどこに出てきても美味しいポジションで存在感を見せつけてきたり(もはや勧善懲悪の時代劇くらいの様式美である)と、「この人も気になる、あの人も気になる」のイケメンラッシュだったのである。これこそが、イケメンシリーズの醍醐味と言えるだろう。
そして、それぞれの相手との恋にはひとつとして同じ味はない。相手への募る想いに身を焦がすじれったさも、溺れるほど愛される喜びも、相手によってその種類はまったくと言っていいほど異なるのだ。どちらがいい悪いではなく、それを堪能できることがイケメンシリーズの真骨頂だと断言したい。
気軽に読めて、気がつけば深い沼に突き落とされている……。それはかつて浸ったことがある場所かもしれないし、初めての経験になるかもしれない。物語の扉は、いつでもここ「Dreamoire(ドリモワ)」にある。まだの人はぜひ、新しく足を踏み入れてみてほしい。
エンタメ系フリーライター。ゲーム業界などの社会人生活を経て、好きなものの素晴らしさを文章で伝えるためにライターへ転向。現在は女性向けコンテンツを中心に、インタビューやレポートや紹介記事のほか、ボイスドラマなどのシナリオも執筆。読むことと考えることと書くことが好きです。
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王宮と100プリがサービス終了して、フィナーレイベントでたくさんのプリンセスの皆さまと一緒にウィスタリアでの日々を振り返ったあの日からずっと彼らに再び会える日を待ち望んできました。なのでクラファンをやっていただけることになってとても嬉しく、とても感謝しています。リターン品も素敵なものをたくさん用意してくださってありがとうございます!本編はもちろん、続編、BDまで達成できるよう微力ながら最後まで応援したいです! アプリがあった頃からずっと要望を出しているのですが、本編配信時に販売されたエピソード0(本編前ストーリー)のシナリオをぜひ復活させてほしいです!本編をより深く理解して楽しむためにも、エピソード0は必要不可欠なストーリーだと思います。特に100プリは続編がないので、代わりに本編エピソード0の追加していただけると嬉しいです。すでに内容が決まっている今回のクラファンでは難しければ、今後のクラファンの実施も含めてぜひぜひ検討をお願いいたします。